*Bicycle Life

最近の自転車に関する報道について。

 最近(H23.11月)自転車に関する報道が多くされています。H20年6月施行の道交法の改正及び警察庁のH23年10月25日の通達(概略)を受けてのことでしょうが、 多くは歩道や車道を傍若無人に走る自転車を非難する論調です。

 もちろん、歩道を高速で走ったり信号無視をするなどルールやマナーに違反した走行をしていることに対する非難は当然のことであり、 弁解の余地もなく又、弁解する気もない(どちらかといえばもっと徹底して取り締まって欲しいと思っている)が、ピントが外れていると言うか、 考えるべきことはそこじゃないだろうと思うようなこともあります。

 一つは、自転車の車道走行についてですが、多くのメディアは危険・危ないを繰り返す。 映像も車の間をすり抜けて走行する姿や後方確認もしないまま駐車車両を避けるために道路中央方向へ出て行く姿を映す。

 インタビューでも、ドライバーや歩道を走っているママチャリのおばちゃんや高齢者に、車道走行についての感想を聞く。 当然のように否定的な意見しか出てこない。ドライバーは目障りと言い、おばちゃんはそんな危ないこと出来ないと言う。そして、そのことが結論のように番組は次の話題へ移っていく。

 こんな報道でホントに良いのでしょうか?。

 自転車が邪魔だと言い放つドライバーは、正当なことを言っているのでしょうか?。確かに狭い道で、前をふらふら走られたら邪魔に感じると思う。 駐車車両や障害物を避けるために前に出てこられたら怖いだろう。もちろん、後方確認をしない自転車を擁護する気は無いが、元を正せば駐車している車が悪いのであり、自転車が走るべき道路左端に障害物が置いてあることが問題なのではないか?。

 前方に駐車車両があれば、自転車がその車両を避けて車道中心方向へ出てくることは予想出来るはず。それを無理に抜こうと思うから、邪魔に感じるのではないだろうか?。 自転車を追い越すときは余裕を持ってゆっくり抜いていけばいい。ロスする時間はさほど多くないと思うのだが。

 現在歩道を主に走っている方からすれば、車道を走るのは怖いと思うのは当然でしょう。普段から車道を走っていても怖いと感じるのだから。 しかし、怖いから危険と感じるからといってそのまま歩道を走りつづけていいのでしょうか?。歩道上が危険と感じる歩行者は、どこを歩けと言うのか?。

 怖いと感じるのはなぜ?。どうすればそう思わないで車道を走ることが出きるでしょうか?。その考察が報道の中で語られることはほとんどありません。少なくとも自分は聞いたことが無い。 わざととしか思えないほど、自転車の近くを車が猛スピードで抜けていく。嫌がらせをするように幅寄せをする。邪魔だといいつつクラクションを鳴らす。

 そんなことをされれば誰でも怖いと思う。そんなに迷惑がられてまで車道を走ろうと思わない、と感じるでしょう。そしてテレビの前の視聴者も同じ考えになるように番組は作られていく。 その手法に悪意まで感じるのは、私が自転車を趣味としているからなのか?。怖いと思われるような運転をしているドライバーが、絶対の悪であるとまで言ったら言い過ぎだろうか?

 今のような報道をしてメディアにどんな得があるのか?。自動車業界からの広告費が膨大だから、車の不利になるようなことは言えないのか?。 しかし、違法駐車はするなとか、自転車に対して嫌がらせをするなとか言ったとして自動車業界が文句を言ったりするのだろうか? 自転車が走りやすくなると車が売れなくなるから、嫌がらせをしてでも自転車が走りにくい状況を作り出そうとしている、とでも言うのか?

 自転車は軽車両だ。歩行者の親戚でなく車両の一種だ。歩道は歩行者の聖域にして、車両は車道をシェアして使えばいい。 双方が歩みより、相手のことを理解しルールを守れば、道路をシェアするのはそんなに難しくないと思うのは楽観視し過ぎでしょうか?

2011.12

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